白参(ハクジン)

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【生薬名】白参 ヨミ:ハクジン

オタネ人参の新鮮根の周皮や細皮を除いて乾燥したもの。

【基 原】

神農本草経の上品に収載。ウコギ科 Araliaceae 人参 Panax ginseng C.A. Mey. (ニンジン)の根を乾燥したもの。中国の吉林省・遼寧省産の野生のものを吉林参、朝鮮の野生のものを朝鮮の野生のものを朝鮮参という。石柱参・紅参・白参・条参(辺条参)はいずれも吉林参の栽培品である。鬆参尖(ヒゲ人参)とは、人参の加工時にできる比較的細かいくずのことである。

【性 味】

味は甘・微苦、性は微温。(帰経:肺・脾経)

【主成分】

panacene C15H24 ・ panaquilon C32H56O14 ・ panaxin C23H38O10 ・ ginsenin 。このほか人参酸(種々の酸の複合体)・ビタミンA・B1・B2・C、苦味質・無機塩・粘液・蔗糖・ブドウ糖・果糖・麦芽糖・ choline など。

【薬理作用】

生薬分類は、補気薬。中薬の効能は大補元気、補脾益肺、生津止渇、安神益智。気虚による危急状態に用いる代表生薬で、脾気不足、肺気虚に用いるほか、津液の消耗による口渇、消渇に用いる。

また以下の作用により、総合的に滋補強操作用を示す。

神経系の興奮作用、下垂体-副腎皮質経の興奮作用、性機能の増強作用、強心作用・血糖の降下作用、高コレステロール血症発生抑制・血中コレステロール降下作用、抗利尿作用、抗アナフィラキシー作用。

このほか初歩的な観察によると、エールリッヒ腹水ガンの成長を軽度に抑制し、実験的な胃潰瘍・心筋炎の治療と予防に一定の効果がある。

【臨床応用】

消化吸収機能が悪いとき(脾胃気虚)に用いる。古人は経験的に、人参の主作用は補脾健胃であるとしている。それゆえ、消化器系の疾患(肝炎・慢性胃炎・消化性潰瘍など)やその他の原因で生じた、上腹部がつかえて苦しい・食欲がない・下痢・嘔吐などの胃腸機能の虚弱症状には、人参を主薬にして使用する。

貧血に用いる。補血薬だけではあまり効果がないときに、人参などの補気薬を加えると効果がある。

神経衰弱に用いる。興奮型(心腎不交)の患者に対し、精神を安定し・動悸を静め・もうろう状態を回復する。

性機能衰弱に用いる。とくに勃起不全型と早漏型のインポテンツに対して効果がある。

【用 量】

一般に1〜9g。

【規 格】100 g

【産 地】中国

【使用上の注意】

呼吸が粗い・発熱・脈は滑実有力・便秘・尿量が少ないなどの実熱症のときは、人参を使用してはならない。具体的には、高血圧の患者で頭痛・眩暈・のぼせ・目やに・怒りっぽいなどの肝陽上亢(肝腎の陰虚によって生じた病理現象のこと)の症状があるときは、人参を多量に服用すると脳の充血をおこしやすく、ひどければ脳卒中を生じる。虚寒(陽虚によって生じた寒象のこと)の症状があるときは使用してもよいが、少量にすべきである。収縮期血圧が180mmHg以上のものは、どんな型の高血圧症でも服用すべきでない。

湿熱によって生じた浮腫は、人参を服用するとひどくなることが多い(抗利尿作用があるため)。腎機能不全で尿量減少があるときにも使用しない方がよい。

実証の不眠・煩躁に用いると、睡眠障害がさらにひどくなるので使用すべきでない。

※取り扱い上の注意

1.天然物(生薬)の性質上吸湿しやすいものがありますので、保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因になることがあります。

2.特に開封後は、湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。

3.本品には品質保持の目的で窒素ガス(不活性ガス)を封入しております。生薬の特質に応じて、脱酸素剤又は乾燥剤を封入している場合がございますので、一緒に煎じたり、食べたりしないようにご注意ください。

※上記内容は情報として掲載しております。

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